サイバー犯罪とは?ネット社会で高まる犯罪被害リスク

ネット犯罪

サイバー犯罪やネット犯罪には、どのような人でも巻き込まれる可能性があります。こうした犯罪は、匿名性が高く、証拠も少なく、不特定多数の人がターゲットとされるので、被害が大きくなりやすいです。サイバー犯罪のパターンを知って、被害に遭わないように、日頃から注意して生活しましょう。困ったときには弁護士に相談することをお勧めします。

サイバー犯罪は増え続けている

今は、ネット社会です。世界中の、あらゆる年代、性別の人がパソコンやスマホ、タブレット端末などを利用しています。AIスピーカーなども売り出されていますし、今後ますますネット利用の方法も増えてくるでしょう。

サイバー犯罪とは

確かに便利になりますが、反面増えてくるのがサイバー犯罪です。サイバー犯罪とは、インターネットを利用した犯罪全般を指します。ネット犯罪と言われることもありますし、以前は「ハイテク犯罪」と言われることもありました。

増え続けるサイバー犯罪

サイバー犯罪の件数は、年々増加しています。警察庁の発表によると、全国のサイバー犯罪の検挙件数は、平成24年の時点で7334でしたが、平成28年には8324件となり、1000件ほど増加しています。

中でも、コンピュータシステムを使った詐欺や不正な電子記録を作成する罪などの類型が増えています。こうしたコンピュータ記録に関する罪の検挙件数は、平成24年の時点で178件でしたが、平成28年には374件にまで増えており、4年で倍以上になっています。また、ネットを利用した出会い系や詐欺、脅迫、著作権法違反などの犯罪も増えており、平成24年には6613件だったものが、平成28年には7448件になっています。

これらの件数は、すべて「検挙件数」ですから、検挙されなかったものを含めると、大幅に増加することは間違いありません。

サイバー犯罪の検挙件数

平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年
コンピュータや電磁的記録に関する犯罪 電子計算機使用詐欺 95 388 108 157 281
電磁的記録不正作出・毀棄 35 56 48 32 24
電子計算機損壊等業務妨害 7 7 8 6 11
不正指令電磁的記録作成・提供 4 8 9 8 4
不正指令電磁的記録供用 34 14 16 21 36
不正指令電磁的記録取得・保管 3 5 3 16 18
コンピュータ、電磁的記録に関する罪の小計 178 478 192 240 374
ネットワークを利用した犯罪 児童買春・児童ポルノ法違反(児童ポルノ) 1085 1124 1248 1295 1268
詐欺 1357 956 1133 951 828
わいせつ物頒布等 929 781 840 835 819
青少年保護育成条例違反 520 690 657 693 616
著作権法違反 472 731 824 593 586
児童買春・児童ポルノ法違反(児童買春) 435 492 493 586 634
脅迫 162 189 313 398 387
商標法違反 184 197 308 304 298
出会い系サイト規制法違反 363 339 279 235 222
その他 1106 1156 1254 1593 1790
ネットワーク利用犯罪の小計 6613 6655 7349 7483 7448
不正アクセス禁止法違反 543 980 364 373 502
総検挙件数 7334 8113 7905 8096 8324

サイバー犯罪の種類

3種類のサイバー犯罪

サイバー犯罪というと、「ハッキング」などの専門的な技術を駆使した思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実際にはそういったものに限りません。一般の方でも、ふとしたきっかけで簡単に巻き込まれてしまうので、注意が必要です。サイバー犯罪は誰でも「被害者」にも「加害者」にもなりうる犯罪です。

そして、サイバー犯罪は、その特徴ごとに、いくつかの種類に分けることができます。それは、以下の3種類です。

  • コンピュータや電磁的記録(コンピュータの記録)を対象にした犯罪
  • ネットワークを利用した犯罪
  • 不正アクセス禁止法違反

以下で、それぞれについて見ていきましょう。

コンピュータや電磁的記録(コンピュータの記録)を対象にした犯罪

コンピュータのシステムや記録を不正操作したり、情報やデータを無断で書き換えたり、作り出したりする犯罪です。不正に作った電磁的記録(コンピュータの記録)を使って詐欺行為をした場合にも、犯罪が成立します。

ネットワークを利用した犯罪

インターネットのネットワークを悪用した犯罪です。たとえば、出会い系サイトで会った相手を恐喝したり、児童ポルノやわいせつ物の頒布を行ったりする場合がこれに該当します。

不正アクセス禁止法違反

他人のIDやパスワードを勝手に使ってネットワーク上の情報にアクセスした場合に成立する犯罪です。特に不正な利用をしていなくても、単にアクセスしただけで犯罪が成立してしまうので、注意が必要です。

次の項目では、1つ1つの類型について、詳しく見ていきましょう。

電磁的記録を対象にした犯罪が成立するケース

電磁的記録を対象にした犯罪が成立するのは、以下のような場合です。

不正指令電磁的記録作成罪(刑法168条の2)

不正指令電磁的記録作成罪は、巷では「ウイルス作成罪」と呼ばれています。コンピュータ上で、正当な理由がないのに、誤作動を起こさせるような不正データを作ったり、使ったりすると、ウイルス作成罪が成立します。

ウイルスを誰かのコンピュータに仕込んだ場合にはもちろん犯罪が成立しますし(供与罪)ウイルスを作った場合、実際にそれを誰かのコンピュータに仕込まなくても、持っているだけで犯罪が成立します(作成罪)。供与罪には、未遂罪もあります。

刑罰は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

不正指令電磁的記録取得罪(刑法168条の3)

正当な理由がないのに、人のコンピュータに誤作動を起こさせる目的などで、ウイルスを取得した場合にも、犯罪が成立します。自分で作ったものではなく、他人が作ったものをもらい受けるだけで、犯罪になる、ということです。この場合の刑罰は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金です。

ウイルス作成・取得罪については、いたずら目的で作った場合だけではなく、興味本位で作ったケースなどでも成立してしまうので、注意が必要です。

コンピュータシステムに関心を持っている中学生がウイルスを作り、逮捕されてしまった事件などもあります。

電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)

電子計算機使用詐欺罪という犯罪もあります。電子計算機、というのは、コンピュータのことです。この犯罪は、不正なシステムやデータにより、人が利用するコンピュータに不正な指令を与えたり、虚偽の記録を示したりすることで、不正な利益を得たときに成立する犯罪です。

たとえば、銀行のデータにアクセスして、不正な指令を与えて送金処理を行った場合などに、この犯罪が成立します。また、虚偽の記録が入力された電子マネーのカードやクレジットカードなどを利用して、不正送金を受けたり決済したりする場合にも、この犯罪が成立します。

電子計算機使用詐欺罪の刑罰は、10年以下の懲役です。

ネットワークを利用した犯罪

次に、ネットワークを利用した犯罪について、詳しく見てみましょう。これは、コンピュータのデータそのものを使ったり操作したりするものではなく、ネットワークを利用して、これまでの普通の犯罪を行うものです。

たとえば、出会い系サイトを利用して未成年者と会ってわいせつな行為を行ったり、出会い系サイトで会った人からお金を脅し取ったり(恐喝罪)、だまし取ったり(詐欺罪)することなどです。

また、他人の著作物を勝手に利用して著作権法違反になることもありますし、他人を誹謗中傷して名誉毀損罪が成立することもあります。

ネット上にわいせつ画像を掲載して、わいせつ物頒布罪になることもありますし、ネット上で違法な薬物を売買して、薬物規制の犯罪が成立することもあります。

このように、ネットワークを悪用すると、さまざまな犯罪行為を簡単に行うことができるので、注意が必要です。

不正アクセス禁止法

「不正アクセス禁止法」は、聞いたことはあっても内容がわからない、という方が多いのではないでしょうか?

不正アクセス禁止法とは

不正アクセス禁止法は、インターネットのネットワーク上で、権限がないのに、他人のデータにアクセスする行為を罰する法律です。

基本は、他人のパスワードを使ってネットワークにログインする行為

典型的な処罰例は、権限がないのに、勝手に他人のIDとパスワードを使って、ネットワーク上の他人のデータにアクセスすることです。たとえば、他人のツイッターやフェイスブックにログインして「なりすまし」行為を行うことは、不正アクセス禁止法違反となります。他人のIDとパスワードを使って、ネット通販のサイトにアクセスし、勝手に買い物をするケースや、ネットバンクの口座にアクセスして送金をした場合などにも不正アクセス禁止法が成立します。パスワード入力以外の方法でコンピュータにアクセスした場合にも不正アクセス禁止法が成立します。

このように、パスワードなどを使って他人のコンピュータデータにアクセスした場合、3年以下の懲役または100万円以下の懲役刑を受ける可能性があります(不正アクセス禁止法11条)。

パスワードを取得する

また、パスワードを取得する行為も処罰対象となります。この場合の刑罰は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金となります(不正アクセス禁止法12条1号)。

不正アクセスを手助けする

不正アクセスを手助けする行為も罰せられます。罰則は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金です(不正アクセス禁止法12条2号)。

不正に入手したパスワードを保管

不正に入手したパスワードを保管しているだけでも、処罰対象になります。罰則は、同じく1年以下の懲役または50万円以下の罰金です(不正アクセス禁止法12条3号)。

他人に対し、パスワードを要求

他人に対し、パスワードを要求する行為も禁止されます。たとえば、銀行に見せかけたサイトで、利用者のIDとパスワードを盗もうとするフィッシングなどが処罰対象となります。この行為に対する罰則は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金です(不正アクセス禁止法12条4号)。

不正アクセス禁止法は、悪気がなくても成立してしまうことが多い犯罪です。軽い気持ちで、友人や恋人のSNSにログインしただけでも犯罪行為となってしまうおそれがあるので、注意が必要です。

サイバー犯罪の特徴

サイバー犯罪には、一般的な犯罪とは異なる特徴があります。それは、以下の4つです。 

  • 匿名性が高い
  • 証拠がない、少ない
  • 不特定多数が対象になる
  • 時間や場所による制約を受けない

以下で、どのようなことか、ご説明します。

匿名性が高い

まず、ネット犯罪は匿名性が高いです。犯人の顔も見えませんし、声も聞こえません。もちろん指紋も残っていないです。わかることは、「誰かが、コンピュータを操作している」ということだけです。

そこで、ネット犯罪が行われたとき、まず問題になるのが「犯人特定」です。被害が発生しても、そもそも誰が犯罪行為を行ったのかがわからないので、検挙できない、ということが非常に多いです。

証拠がない、少ない

ネット犯罪は、証拠が非常に少ないことも特徴的です。通常、物を盗もうとしたり、人を騙そうとしたりすると、さまざまな準備も要りますし、実際違反罪行為をしているときや後始末をするときなどに、何らかの痕跡を残してしまうものです。

これに対し、ネット犯罪の場合、勝手に他人のデータにアクセスして誤作動をさせたり、不正な処理をしたりすると、その時点で犯罪が成立するので、ほとんど何の痕跡も残りません。残るものは、ファイルやシステム使用履歴(ログ)等のデータだけですし、こういったものが犯人に消去されるケースもあります。自分のデータが書き換えられても、本人すらまったく気づかず、数ヶ月が経過してしまうこともあります。

このように、サイバー犯罪では証拠がないため、犯人を検挙することが難しくなりがちです。

不特定多数が対象になる

ネット犯罪の恐ろしいところは、対象が不特定多数になりやすいことです。通常の社会で、たくさんの人を巻き込んで犯罪を犯すのは、意外と大変です。詐欺を使用にも、大がかりに人を集めて、みんなを騙すのは容易ではありませんし、次々に適切なターゲットを見つける、ということも難しいです。

しかし、ネットでちょっと有名になれば、人を集めるのは簡単です。煽り文句を使ったりサクラの書き込みを利用したりして、簡単に多くの人を騙すことができます。世界中のあらゆるタイプの人がネットを利用しているので、適切な対象を探すのも簡単です。たとえば、「〇〇市内の未成年の女子高生や女子中学生を探したい」「〇〇に関心を持っている富裕層を探したい」と思ったとき、ネットなら簡単に探せます。

不特定多数が対象になるため、被害が広範に及びやすいのが、ネット犯罪の大きな問題点です。

時間や場所による制約を受けない

インターネットは世界中のいろいろな人が利用しているため、時間や場所による制限を一切受けません。地球の裏側の人が、一瞬でアクセスしてきて犯罪を犯す可能性もあります。

このように、何の制限もないので、いつどこでどのような被害を受けるか予測しにくいです。どのような人でも、どのような被害にも遭う可能性があるということです。

サイバー犯罪の被害者になるケース

具体的に、サイバー犯罪の被害者になるケースとしては、どのようなパターンがあるのでしょうか?例をいくつかご紹介します。

不正送金被害

多いのは、ネットバンクの口座に勝手にアクセスされて、口座送金されるパターンです。世界中で頻発しています。また、最近ではビットコインなどの仮想通貨の口座にアクセスして不正送金するパターンも増えています。

不正送金をされても、被害者が口座をチェックしないと気づかないので、被害が起こってもそのまま数ヶ月間放置されることなどもあります。

なりすまし

SNSなどのなりすまし被害も頻発しています。勝手にツイッターやフェイスブック、ブログなどにログインされて、第三者が自分として振る舞うのです。なりすましアカウントで詐欺行為をされたら、自分の方が犯罪者であると疑われてしまうことなどもあるので、注意が必要です。

名誉毀損

ネット上で名誉毀損被害を受けることも、非常に多いです。2ちゃんねるなどの掲示板などで議論になり、ついつい感情的な書き込みをしてしまうこともありますし、突然知らない人から誹謗中傷されたり、嫌がらせをされたりすることもあります。

リベンジポルノ

以前交際していた相手が、復讐目的で、交際していたときに撮影した性的な写真や動画などをネット上にアップすることがあります。このような行為を、リベンジポルノと言います。リベンジポルノはリベンジポルノ防止法という法律によって禁止されており、犯罪となります。

著作権侵害、商標権侵害

著作権侵害や商標権の侵害も非常に多いです。ネット上にアップしている画像や動画、文章などが勝手にコピーされたりダウンロードされたりすると、著作権法違反となります。

企業の登録商標が、第三者によって勝手に利用されていることもありますが、このような場合には商標法違反となります。

ウイルス被害

コンピュータウイルスによる被害も、後を絶ちません。メールなどに添付されてウイルスが送られてくるのですが、開いてしまうとウイルスが発動して、コンピュータが動かなくなってしまいます。コンピュータを動かすために、身代金を要求してくるパターンも多いです。こうしたとき、身代金を支払ってもコンピュータは動かないので、支払いに応じてはいけません。

サイバー犯罪の被害に遭わないための対処方法

このように、サイバー犯罪は、いつでも誰にでも起こる可能性があります。なるべく、犯罪被害に遭わないためには、どのようにしたら良いのでしょうか?

ID、パスワードを適切に管理する

まず、IDやパスワードなどの管理をしっかり行うことです。できるだけわかりにくいものを利用して、サイトごとに異なるものを使うことが大切です。同じIDやパスワードを使い回している人がたくさんいますが、そうすると、1つのサイトの情報が盗まれた場合、すべてのサイトで不正利用されてしまいます。また、できるだけ、定期的に変更することも役に立ちます。

ウイルス対策

次に、ウイルス対策をしっかりと行うことです。ウイルス対策のソフトを入れておくことは基本ですし、よくわからないメールは開かないで削除しましょう。正体がわからない添付ファイルは、開かないことも重要です。

ネット上にむやみに情報を流さない

さらに、ネット上に、本名や居住場所などの情報を明かしすぎるのも危険です。ネット上で有名になると気分が良いかもしれませんが、その分危険もついてくる、ということを忘れてはいけません。

サイバー犯罪の被害に遭った場合の対処方法

実際にサイバー犯罪に遭ってしまった場合には、どのように対応したら良いのでしょうか?

まずは、警察に相談する

この場合、まずは警察に届出をすることが基本です。全国の警察において、サイバー犯罪の相談係があるので、こちらの方に連絡をしましょう。

被害届を提出することは基本ですが、必要に応じて刑事告訴も行います。サイバー犯罪の中には、刑事告訴をしないと警察が動いてくれない「親告罪」もあるためです。
ただし警察は、証拠がないと動いてくれませんし、民事的な対応はしてくれません。
警察に相談しても、不当な内容の記事を削除させたり、損害賠償請求をしたりすることもできません。

弁護士に相談する

そこで、弁護士の所にも相談に行きましょう。サイバー犯罪では、金銭的な損失が発生することもよくありますが、警察が犯人を逮捕しても、お金が戻ってくることはありません。不当な記事を削除させたり、お金を取り戻したり、損害賠償請求を行ったりするという民事的な対応をしてくれるのは、弁護士です。

また、弁護士に依頼すると、犯人を特定できるケースもあります。たとえば、ネット上の書き込みのログからIPアドレスがわかるので、こういったものを調べることで、犯人の氏名や住所などの情報が判明することがあります。

サイバー犯罪被害に遭ったら、あきらめずに弁護士に相談することが、解決の近道です。

サイバー犯罪の加害者になるケース

サイバー犯罪は、非常に身近な犯罪です。加害者になってしまうこともあります。

ウイルスを作成してしまう

たとえば、軽い気持ちでウイルスを作ってしまうことがあります。使うつもりがなくても、作っただけで犯罪が成立してしまいますし、「何の目的で作ったのか、仲間がいるのか」などと、厳しく詰問されるおそれもあるので、注意が必要です。

SNSや口座情報にログインする

軽い気持ちで、友人や恋人のSNSにログインしていたずらをするケースもあります。予想外に相手が怒ってしまったら、警察に通報されて逮捕されるかもしれません。また、他人の口座情報にアクセスして、送金してしまうこともあります。いたずら半分でも、重大な犯罪行為となってしまいますので、注意が必要です。

出会い系トラブル

ネットで知り合った相手を騙してお金を振り込ませてトラブルになったり、元恋人や不倫相手に対する書き込みが「名誉毀損」と言われたりすることもあります。また、出会い系サイトなどを利用していると、相手がまともな人とは限らないので、「脅された」「わいせつ行為をされた」などと言われて、犯罪者扱いされてしまうおそれもあります。合意であると思って性的な行為をした場合に「強制わいせつ」と言われることもあるので注意が必要です。

サイバー犯罪の加害者にならないための対処方法

このように、加害者にならないためには、犯罪の類型を知って、そのようなことをしないように注意することです。

増え続けるサイバー犯罪に対応するため、サイバー犯罪の処罰対象がどんどん増やされています。たとえば、ウイルス作成罪やリベンジポルノ防止法、不正アクセス禁止法などは、つい最近できた犯罪です。電子的記録使用詐欺罪なども、比較的新しいです。このような犯罪の場合「犯罪行為とは知らずに行ってしまう」ことが多いです。また、著作権法違反や商標法違反も、軽い気持ちで行ってしまうことが多いです。

「ちょっとくらいならバレないだろう」と思っていると、もとの権利者が発見して「違法」と言って通報されてしまうことがありますし、損害賠償請求をされてしまうこともあります。著作権法も、ちょくちょく改正されて、犯罪類型が追加されているので、法改正の内容を追いかけていく必要があります。

サイバー犯罪の加害者になってしまった場合の対処方法

もし、サイバー犯罪の加害者になってしまったら、早めに弁護士に相談されることをお勧めします。

放っておくと、警察に逮捕されて身柄を拘束され、厳しい取り調べを受けることになります。虚偽の自白をすると、予想外に重い刑罰を適用されて、人生が狂ってしまうことにもなりかねません。

弁護士に依頼したら、早めに被害者と示談をするなどして、起訴を免れることができることもありますし、冤罪の場合、それを晴らしてもらうことなども可能です。

以上のように、サイバー犯罪やネット犯罪は、非常にたくさん発生しており、どのような人も、被害者にも加害者にもなり得るものです。今回の記事を参考にして、サイバー犯罪に巻き込まれないように、上手に対応しましょう。

被害者になった場合も加害者になった場合も、頼りになるのは弁護士ですから、何かあったら弁護士に相談することをお勧めします。

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