執行猶予中の生活とは?就職への影響や再犯するとどうなるか解説!

執行猶予

執行猶予については以下の記事で紹介していますので参考にして下さい。

執行猶予中の生活は?どんな変化がある?

普段通りの生活をしても良い

執行猶予中は、基本的に普段通りの生活をしていてかまいません。会社に通勤して普通に仕事をしてかまいませんし、給料ももらえます。家族と旅行に行ったり好きな物を買ったりすることも可能です。

保護観察について

ただし、裁判官により、「保護観察」をつけられるケースがあります。保護観察とは、犯罪を犯した人が再び犯罪行為を行わないように、保護観察官によって監視させる処分です。保護観察官は全国の保護観察所に所属しています。保護観察が付くと、定期的に保護観察官と会って生活状況を報告したり指導を受けたりすることになります。

また、長期旅行や引っ越しの際には許可が必要になるケースもあります。犯罪の種類や本人の環境によっては、犯罪のもとになった場所へ近づくことを禁止されたり、更生プログラムの受講を義務づけられたりするケースもあります。

保護観察をつけるかどうかは裁判官が判決を下す場合に決定します。保護観察中に、保護観察官の指導や禁止事項に従わず非行が続く場合には、執行猶予を取り消されてしまう可能性もあるので、保護観察がついたら、特に慎重になって、誤った行動をとらないようにまじめに生活しましょう。

犯罪行為を犯さないようにする

執行猶予中は、基本的に通常通りの生活ができるのですが、もっとも注意しなければならないのは、「執行猶予の取消」です。執行猶予中に禁固刑や懲役刑に該当する犯罪を行うと、基本的に執行猶予が取り消されて、新たな犯罪の刑期と猶予を受けていた刑期の合計が科され、服役期間が非常に長くなってしまいます。

「犯罪を犯さずに真面目に生きていれば良いだけなら、難しいことではない」と思うかもしれませんが、実際には犯罪に巻き込まれるケースもあります。特に怖いのは交通事故です。交通事故は、特に悪意がなくても引き起こしてしまう可能性がありますし、死亡事故や重傷事故を起こしたりすると、禁固刑や懲役刑が選択される可能性が高くなるからです。執行猶予中は、可能な限り運転を避けることをお勧めします。

また、痴漢えん罪で、満員電車などに乗っているときに犯人に仕立て上げられることもありますし、万引き犯と間違えられるケースもあります。ネット上でトラブルになったことが原因で、名誉毀損や業務妨害と言われることもあるでしょう。

以前の環境が悪かった方の場合には、自分が真面目に更生しようとしていても、執行猶予中に昔の悪い仲間や友人が寄ってきて、再度の犯罪に巻き込まれてしまうケースも多いです。執行猶予中は、家族や周りの人も協力して、本人の環境を整えることも再犯防止のために重要です。

執行猶予中に就職はできる?

結論からいうとできます。執行猶予中は下記で紹介している再犯をしない限りは通常の生活を送れますので、問題なく就職をすることも可能です。

ただ国家公務員などの一部の職業は猶予期間が満了するまでは法律で就職することができません。

執行猶予が取り消されるケースは?

禁固刑以上の再犯をした時

執行猶予期間中に、禁固刑や懲役刑、死刑に該当する犯罪を犯した場合には、必ず執行猶予が取り消されて実刑となります。執行猶予中に再度の執行猶予を受けることはできないということです。この場合には、猶予を受けていた刑罰と新たな刑罰を合計した分の刑罰を受けなければならないので、刑期が非常に長くなります。

たとえば、3年の懲役刑を受けて執行猶予中に2年の懲役刑を受けた場合には、合わせて5年間の懲役刑を受けなければなりません。

罰金刑を科されたとき

執行猶予中に犯罪行為を犯し、罰金刑を科されたケースにおいても執行猶予を取り消される可能性があります。ただしこの場合には、必ず取り消されるわけではなく、裁判官の裁量によって取り消される可能性があるということになります。状況によっては罰金刑を受けても執行猶予が取り消されず、刑務所に行かずに済むケースもあります。

保護観察の遵守事項を守らない場合

執行猶予中に保護観察に付せられたにもかかわらず、保護司の指導に従わず、問題行動を起こして情状が悪いケースでは、執行猶予を取り消される可能性があります。この場合には、新たに犯罪を犯したわけではないので、以前に言い渡された懲役刑や禁固刑の刑期のみを務めることとなります。

要注意!交通事故でも執行猶予が取り消される

執行猶予中は多くの方が二度と警察のお世話にならないよう再犯をしないよう過ごすかと思いますが、最も恐ろしいのが交通事故です。

交通事故は悪意がなくとも気づいたらスピード違反をしてしまったり、信号無視をしてきた自転車や老人を轢いてしまう可能性があります。

上記のようなこちらに悪意がないケースでも相手の怪我によっては一発で執行猶予が取り消されるケースがあり、執行猶予中はある意味最も警戒するべきなのが交通事故となっています。

実際、執行猶予中の人の中には期間中は免許を持っていても運転しない人もいるほどです。

執行猶予期間が終了した後の注意点

特に犯罪行為や問題行動を起こさずに執行猶予期間が満了すると、刑の言い渡しの効果が失われ、刑罰を受ける可能性はなくなります。ただ、この場合でも、以前とまったく同じ状態に戻ったわけではありません。執行猶予付き判決も前科ですから、その状態で再犯に及ぶと実刑の可能性が非常に高くなるのです。

まず、執行猶予期間の満了後5年以内に再度懲役や禁固刑に該当する犯罪を行ったら、基本的に再度の執行猶予はつきません。また、5年を経過した後も、前科の記録が残っている以上、やはり実刑を選択される可能性が高まります。

特に前刑と同種の犯罪を犯してしまったら、再度の執行猶予は難しくなるでしょう。いったん執行猶予判決を受けて前科がついたら、一生その記録が消えないことを覚悟して、慎重に生きていく必要があります。

執行猶予を獲得する方法

そうはいっても、執行猶予がつくと実際に刑務所に行かなくて良いのですから、被告人にとって大きな利益となる事は確実です。刑事裁判で執行猶予判決を獲得するには、どのようなことに注意したら良いのでしょうか?

きちんと反省する

まずはしっかりと犯罪行為と自分を見つめ直し、反省することが重要です。反省していないと、それだけで情状が悪くなり、軽い犯罪でも執行猶予をつけてもらいにくくなります。

被害者と示談する

被害者がいる事件では、被害者と示談をすることが非常に重要です。刑事裁判では、民事的な賠償問題が解決されていると、被告人にとって非常に良い情状となるからです。示談だけではなく被害者から「嘆願書」を書いてもらえると、さらに情状が良くなります。

被害感情の強い事案では示談交渉には時間がかかることも多いので、被害者がいる事案で逮捕されたら、すぐに被害者に謝罪して示談交渉を始めることが大切です。

被害弁償する

被害者が示談を受け入れてくれないときにも、なるべく被害弁償することが重要です。たとえば全額の弁償ができなくても、一部でも弁償していたらその分情状が良くなります。

贖罪寄付をする

被害者が弁償金を受け取ってくれないケースや、被害者のいない薬物犯罪などのケースでは、贖罪寄付をすることによって反省の気持ちを示すことも可能です。贖罪寄付とは、罪を償うために寄付をすることです。各地の弁護士会などで受け付けていますので、刑事弁護を依頼している弁護士に相談してみましょう。

家族や勤務先に監督してもらう

執行猶予判決を獲得するためには、被告人が「再犯に及ばない」と裁判所に納得させる必要もあります。そのためには、周囲による監督が期待できることを主張しましょう。家族がいることや定職に就いていること、配偶者や親、勤務先の社長による監督が期待できると、執行猶予をつけてもらいやすくなります。

良い刑事弁護人をつける

刑事裁判で執行猶予判決などの有利な結果を獲得するためには、腕の良い刑事弁護人に依頼することが必須です。逮捕直後から適切な対応をしていれば、不起訴処分になって前科をつけずに済むケースもあります。執行猶予判決では前科がつくので、それより不起訴処分の法が有利です。

刑事弁護に強い弁護士を探したいときには、ウェブサイトの内容を確認して、刑事弁護の実績や取り組み姿勢などを確認しましょう。

執行猶予判決を獲得したい場合は弁護士に依頼しましょう

刑事事件では、早期の対応が非常に重要です。対応が後手になるとその分不利になりますので、逮捕された場合や現在の国選弁護人に不満がある場合などには、早めに弁護士に連絡を入れて、刑事弁護を依頼しましょう。

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