逮捕された友人知人がどこの警察署に捕まってるか調べる方法はある?

面会

被疑者は逮捕後、基本的には事件があった場所を管轄する警察署で拘束される。被疑者に会いたいと考える者は、警察署に行けば面会できるが、さまざまな制約があり自由に会えるわけではない。弁護士の力を借りて、少しでも被疑者の力になれるように相談しよう。

逮捕された家族や友人、知人はどこにいる?

後姿家族や友人、知人が、刑事事件の被疑者として逮捕されてしまった場合、まずできることは本人に会いに行くことでしょう。

本人が本当に罪を犯しているのか、犯していないのかにかかわらず、お互いに不安な気持ちを少しでも和らげるため、会って話をしたいという気持ちはよく理解できます。しかし、逮捕されたばかりの被疑者には、捜査当局によりさまざまな制限がかけられます。

逮捕とは、裁判所の許可を得て人の自由を奪ってしまうことですから、外部との連絡すら思うようにできないのが実情です。被疑者の家族、あるいは親しい友人にとってみれば、果たしてどこにいるのか、どんな状態でいるのかさえ、分からない状態が数日にわたって続きます。

そのような状態で、どうすれば面会(接見)できるのか、本項で紹介していきます。

逮捕されたばかりの被疑者は、警察の留置場にいる

逮捕されたばかりの被疑者は、ほとんどの場合は警察署の留置場で拘束されています。

留置場とは警察署に設置されている、被疑者を留置するための施設です。警察ではなく、検察に逮捕された場合には、被疑者が拘置所にいるケースもありますが、検察が刑事事件を捜査し、被疑者を逮捕するような事件は、政治家が絡んだ贈収賄などの特殊な事件に限られているようです。

一般的には、逮捕された被疑者が身柄を拘束されている場所は、警察署内の留置場だと思って間違いないでしょう。

どこの警察署に捕まってるか調べる方法

刑事事件の被疑者が最初に連行されるのは、基本的には当該刑事事件が発生した地域を管轄する警察署になります。

まずは被疑者の住所を管轄する警察署に連絡を入れ、どこに連行されたか尋ねてみるのが手っ取り早い方法です。

もっとも家族であれば、裁判所や被疑者が留置されている警察署から連絡が入りますので、すぐに連絡してくれるかどうかは別ですが、どこの警察署に留置されているかを知ることができます。

しかし被疑者がどこの警察署に連行され、留置場に拘束されているかは、明らかでない場合があります。

被疑者が女性であり、その地域を管轄する警察署に女性を受け入れられる留置場がなかった場合は、近隣の別の警察署で留置されることになります。

同じ理由で、被疑者が未成年者であった場合にも、別の警察署になることがあります。またその事件に共犯者がいた場合、口裏合わせを防ぐために、別々の警察署の留置場に留置されることになることもあります。

単に、当該警察署の留置場が満員であった場合にも、別の警察署に留置されることもあるでしょう。

加えて、近年増えているインターネット絡みの犯罪の場合、捜査本部が設置されるのが警視庁であることが多く、地方に住んでいた被疑者であっても、東京まで連行されることになるのです。

以上のように最初に連行され留置される警察署は、ケースバイケースではっきりと分からないことも珍しくありません。

逮捕された被疑者には、いつ面会(接見)できる?

司法の世界では、被疑者に面会することを「接見」と呼びます。

刑事事件で逮捕された被疑者に「接見」しに行く場合、基本的にはアポなしでも構わないのですが、拘束されている警察署に行っても会えない場合があります。

接見できないのは?

  • 警察署が設定している面会時間外の場合
  • 被疑者に「接見禁止」の処分が下されている場合
  • 本人が捜査の都合で外出させられている場合

以上のようなケースでは被疑者に「接見」に行っても会うことができません。

それぞれ、具体的に説明します。

面会(接見)は平日の昼間のみ

捜査当局に身柄が拘束されている被疑者に、一般人が接見できるのは平日の昼間だけです。

一般的には、祝祭日を除く月曜日から金曜日までの平日の午前9時から午後5時までとなり、昼休みとなる午前12時から午後1時も「接見」が認められない場合が多いようです。

しかし警察署によって「接見」の開始時刻や終了時刻に幅がありますので、確実に被疑者に会いたいのであれば、事前に当該警察署へ電話して、「接見」の許可と予約をとった方が良いでしょう。

「接見禁止」の処分を受けると面会不可

「接見」を予約するために警察に連絡した時点で判明することがありますが、被疑者に「接見禁止」処分が下されていた場合は、警察署の「接見」が可能な時間内であっても会うことはできません。

「接見禁止」とは、文字通り一般人との「接見」が一切禁止される処分です。

当該事件に関して、逮捕された被疑者が外部と連絡を取ることによって、証拠隠滅などを図るおそれがある場合に取られる処置とされています。

しかし実際の現場では、事件の内容に関係なく、被疑者が容疑を否認している場合に「接見禁止」の処分が下されることが多いのです。

被疑者に対する嫌がらせと精神的に追い込むためとは考えたくないのですが、多くのケースで「接見禁止」とされてしまいます。

「接見禁止」の状態ですと、面会の希望者が被疑者本人に会えないのはもちろんのこと、手紙や本の差入れも出来ません。

差入れ可能なのは、衣服と現金くらいになりますので、こちらも事前に警察署に確認をしておきましょう。

被疑者は捜査の都合で忙しい?

刑事事件の被疑者は、逮捕後の48時間は警察での身柄拘束を受け、送検後の24時間は検察が身柄を預かることになります。

加えて、2008(平成20)年に警察庁が通達を行った「警察捜査における取調べ適正化指針」において取調べ時間の管理の厳格化が進められ、午後10時から翌日の午前5時までの間に取調べを行おうとする場合、休憩時間を除き1日あたり8時間を超える取調べを行おうとする場合には、警察本部長または警察署長の事前の承認を得なければならないこととされました。

この短期間で警察は十分な調書を作成し、検察は被疑者を起訴するかしないかの判断を下さなければいけないので、取調べに忙しいために被疑者は面会の時間など与えてもらえないのが普通です。

現実的には、勾留が決定されてから面会(接見)が可能となる

上記のようなケースに加え、被疑者本人が検察や裁判所へ呼び出されていたり、「引き当たり」と呼ばれる現場検証で外へ連れ出されていたりした場合も接見はできなくなります。

実質的には検察による10日間の勾留申請が認められてしまった後に初めて、被疑者は外部からの面会が可能になるという状況です。

しかしその際にも、事前に勾留を受けている警察施設へ電話をして「接見」の予約を入れてから訪れるべきでしょう。

面会(接見)には条件がある?

面会(接見)が認められたからといって、被疑者に会いたいからと大人数で尋ねて行ったり、長時間話ができたり、といった、病院のお見舞いのように自由に会えるわけではありません。

制限だらけの被疑者との面会(接見)

まず、被疑者の面会(接見)は多くの警察署で1日に1回、それも1回につき15分~20分だけと定められているのが現状です。

そのため、他に面会(接見)を希望して訪れた人に先に会われてしまうと、その日はもう被疑者に会うことはできません。

そして一般的には、一度の面会(接見)で入室できる人数は3人に限られています。

面会(接見)には警察署の留置係の係員が立ち会い、証拠隠滅などの疑いがあるやりとりをしていないか、随時チェックされます。

普通の会話をしている場合は問題ないですが、事件の話をすると会話が遮られる場合がありますので、注意しましょう。

また、警察署では身分確認が行われますので、面会(接見)を申し入れた人は全員、免許証や保険証などの、自身の身分を証明する物を持参することを忘れないようにしてください。

被疑者への差し入れについて

面会(接見)に訪れた際、多くの方は被疑者への差し入れを持って行きます。

被疑者が逮捕される際には、入院する時のように数日分の身の回り品を持参するわけではなく、着の身着のままで警察署に連行されます。

家族であれば着替えや身の回りの日用品などを差し入れたいと思う気持ちは当然です。しかしここにも、厳しい制限があります。

例えば、ジャージやスウェットなどの着替えについては、ヒモやボタンのついている物は認められません。女性の場合にはブラジャーを差し入れることもあると思いますが、ワイヤー入りが多いために認められないことが多いようです。洗面道具も留置場に売っていることが多いため、禁止されている所が多くあります。食品については、すべて認められません。

喜ばれるのは、少額の現金のようです。多額の現金は差し入れが認められませんが、2万円程度ならば大丈夫とされ、被疑者が勾留施設で洗面道具や手紙や日記を書くための便箋を買うなど、意外と現金は必要になるようです。

その他、本や雑誌、家族の写真や手紙も認められる場合がありますので、警察署に確認を取ってみましょう。ただし、「接見禁止」の処分を受けている被疑者に対する差し入れは認められません。

弁護士ならいつでも面会(接見)可能

以上のように、刑事事件の被疑者との面会(接見)には、さまざまな制限があり、なかなか会えないのが実情です。

しかし、被疑者の弁護人、あるいは弁護人となる予定の弁護士であれば、原則として、逮捕直後であっても、いつでも面会(接見)が可能です。

また、家族や友人、知人とは違い、面会室には弁護士のみが同席し、立会人(係官)がいない1対1で話をすることができるものです。

被疑者の家族、友人や知人は、弁護士に伝言を頼むこともできますし、差し入れを代わりに持って行ってもらうこともできますので、被疑者の力になってもらうために、ぜひ弁護士を活用してみましょう。

被疑者が持つ接見交通権を利用する

刑事事件の被疑者は、取調べの際の黙秘権とともに、身柄拘束を受けている際に行使できる接見交通権を持っています。

これは、刑事訴訟法第39条の1項に、以下の通り定められています。

刑事訴訟法

第三十九条 身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。

※以上、抜粋

これは会話をするだけではなく、書類や物の受け渡しもできる権利です。

逮捕された被疑者は一般的には法知識に乏しく、弁護人のアドバイスを受けることが必要となるため、その弁護人を雇うことを保証する権利でもあります。

捜査当局は接見交通権の制約で対抗してくる

しかし一方で、刑事訴訟法第39条3項を盾に、捜査当局が弁護士の面会(接見)を制限してくる場合があります。

刑事訴訟法

第三十九条
○3 検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第一項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。

これは例外的に面会(接見)機会の指定を許すものだけのはずですが、捜査を優先して日時を指定し、本来なら自由に会えるはずの弁護士に制限を与えるものとなります。

このような対抗策に負けることのない、刑事事件に強い弁護士の力添えが必要となるでしょう。

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